八味地黄丸はアトピーがある人でも使って大丈夫？
「八味地黄丸」という漢方薬は、体を温める効果があり、体全体の機能低下を改善する効果があると言われています。一方、「アトピー性皮膚炎」は遺伝性の要素があり、アレルギー性の疾患の一つです。漢方医学では、アトピー性皮膚炎の原因は風・湿・熱といった外的要因と、陰虚燥熱・血虚風燥といった内的要因が関与しており、さらにストレス（気滞）も関与していると考えられています。また、アトピー性皮膚炎は先天的な要因を持ち、症状的には皮膚や皮下組織の異常が見られます。中医学的には、「先天性」は腎に関連しており、皮膚や毛孔など体を守る機能は肺と密接な関係があり、アトピー性皮膚炎の根本原因は肺と腎の機能低下によるものとも考えられています。
「八味地黄丸」は別名で「腎気丸（じんきがん）」とも呼ばれ、昔から腎虚に対して使用されてきました。漢方医学における「腎」とは、現代医学で言う腎臓だけでなく、副腎、膀胱、生殖器などの機能を含んだ総称です。「八味地黄丸」は、気・血・水の循環を促進する生薬と体を温める生薬が組み合わさっており、「腎」の機能を高める効果があります。
したがって、「八味地黄丸」はアトピー性皮膚炎の方でも使用することができますが、個人差がありますので、絶対に安全とは言えません。特に「八味地黄丸」に含まれる生薬の中で、山薬はアレルギーの原因になりやすいため、山芋アレルギーの方は「八味地黄丸」の服用によって発疹やかゆみなどの症状が現れる可能性があります。
また、「八味地黄丸」は体を温める作用があるため、体力がある方や体質が熱い方が服用すると発熱や頭痛などの症状が現れることもあります。そのような場合は、「八味地黄丸」の使用を中止し、医師に相談してください。
「八味地黄丸」を服用する前に、自身の体質やアレルギーの歴史を確認し、漢方専門医に相談することを強くおすすめします。また、服用中に何らかの異常を感じた場合は、直ちに服用を中止し、医師に相談してください。
